無国籍料理はうまくない!無国籍音楽も同じなのだ!

putchees2004-12-27

今回のCD

DON CHERRY/ETERNAL RHYTHM
ドン・チェリー/永遠のリズム
(ドイツMPS 15.204)1968

メンバー

ドン・チェリーDon Cherryコルネットほか)
アルベルト・マンゲルスドルフAlbert Mangelsdorff(トロンボーン
ソニー・シャーロックSonny Sharrock(ギター)
ヨアヒム・キューンJoachim Kuhn(ピアノ)ほか

「無国籍料理」ってナンナノヨ!?


居酒屋で「無国籍料理」なんてのが流行った時期がありましたな。


エスニック風だとか、洋食風だとか、
得体の知れない料理が出てくる店ですよ。


しかしありゃ、例外なく不味いですな。


少なくとも、うまくはありませんな。


国籍のある料理のほうがうまいに決まってますからね。


歴史も伝統もない思いつきの創作料理が、
数千年の歴史を誇る「国籍料理」に勝てる道理がありません。


「タイ風のナントカ」より、「タイ料理」
そのもののほうがおいしいに決まってます。


でしょ?


無国籍料理なんて、
文字通りの徒花というやつですな。


しかし、その「無国籍料理」というシロモノ、
なんか「うまそうなものが食えそうだ」
という雰囲気だけはするんですな。


新しもの好きの若者が押し寄せたりしちゃいます。
それで、たまさか儲ける店があるから始末が悪い。

「無国籍音楽」なんてからっぽの世界!


さて、音楽にもそういうのがありますな。


タブラとかディジェリドゥとか、
珍しい楽器を使って、「ちょい民族音楽風」
とかやってるバンド、ございますでしょう?


「ちょいワル」って、まるでどっかの雑誌みたいですがな。


そんなバンド、たいがいつまんないですな。


根無し草だからですよ。


無国籍料理と一緒ですよ。


歴史も伝統もなくて、単に民族楽器を使ったり、
スケール(音階)とかリズムをまねただけの薄っぺらな音楽、


各国の民族音楽のおいしいところだけいただこうなんて、
浅ましい考えのバンド。


物珍しさだけで、中身はからっぽ。


そんなバンド、多いと思いません?


そんなんだったら、フツーのロックを
真面目にやってるバンドのほうが、
はるかに好感が持てますよ。


ロックバンドの楽器編成は、
それなりに時間の風雨に堪えてきた伝統があるからです。


でも、たとえばアコーディオンとタブラとオカリナとかね、
そんなヘンテコリンなバンドには、なんの歴史も伝統もございません。


そんな編成でまともな音楽を鳴らそうと思ったら、
よほどの音楽的な実力がないとできませんよ。


ただ物珍しさだけで、奏法も来歴もよく知らないような楽器を
使って喜んでいるバンドは、たいへんかっこわるいです。

地に根の張った音楽をやらなくっちゃ!


この間ね、うちの近所の路上で
津軽三味線だけの5重奏のバンドを見たんですよ。


そらもう、カッコよかったですな。


日本のソウルを、ビンビン感じましたな。


自分たちの(つまり日本の)楽器で、
自分たちのサウンドを作っていたからですよ。


しっかり根を張った、生命力のある音楽でしたよ。


そういう大地に根を張った、
内実のある音楽をやらないといかんですよ。


…まあ、年寄りの説教ですな。


でも、ホントだと思うんですよね。


少なくとも、ホンモノの音楽をやろうと思うならね。


…と、ずいぶんなこと書きましたけど、
実はぼく自身も、スネに傷持つ身です。


そういうかっこわるい「ちょい民族音楽風」
バンドに憧れたりしてました。


そんな自分が、ああなんてかっこわるいんだろうと、
いまならはっきりとわかります。


まだ気がつかない人は、
早いとこ気付いて足を洗ってください。

ジャズで「ちょい民族音楽風」!?


さて、ジャズにもそんな「ちょい民族音楽風」のバンドがありますな。


たとえばこれ。
トランペット奏者ドン・チェリーの68年の録音
「永遠のリズムEternal Rhythm」


9人の大編成のバンドで、アフリカ風ともインド風ともつかない、
無国籍のエスニック音楽を奏でます。


ひとことでいえば、たいへんアヤシイ。


悪くいえばインチキくさい。


このアルバム、オーガニックライフとか言って
キャンプ場でハッパとかクスリをやってるような
若いコに人気があったりします。


こんなのを聴いてるくらいなら、
ホンモノの民族音楽を聴いたほうがいいんじゃないでしょうか。


まあ、キメてるときにBGMにしたら、
気持ちいいのかも知れませんけど。

ともかくヨアヒム・キューンのピアノがスゴイ!


ぼくもこれ、ときどき聴くんですよ。


でも、なにを楽しみに聴くのかというと、
ヨアヒム・キューンのピアノなんです。


そう、スライド・ハンプトンの稿で書いた、
天才(と紙一重?)ピアニストですよ。


ここでも、ヨアヒムのピアノはイッちゃってますな。


とくにトラック2(アナログB面)で
ギャラギャラギャラ……と、
地の底からわき上がるような音が聞こえてくると、
こっちはもう鳥肌ものですよ。


「ちょい民族音楽風」のサウンドなんかより、
ヨアヒムのフリーなピアノのほうが、よっぽど楽しみです。


てなわけで、もし機会があれば、聴いてみてください。


「無国籍音楽」を批判するために、たまたま例として挙げましたけど、
フリージャズとして聴くなら、それなりに面白いかも知れません。



ただもちろん、こんな音楽を聴いていたら、女の子にもてませんよ!