メンブランの激安CDボックス総まくり(その3)
その2よりつづき
激安10枚組CDボックスセットをご紹介しています。
ドイツのメンブランMembran
(ドキュメンツDocuments)
レーベルから発売されているものです。
10枚組で、なんと1200円前後という値段です。
ジャズからロック、クラシック、シャンソンまで
雑多な品揃えです。
前の2回の記事はこちらです。
その1:北米以外のポピュラー音楽編1
→id:putchees200070304
その2:北米以外のポピュラー音楽編2
→id:putchees:20070328
iTunesのこやし
この手のCDボックスは、
通して聴くと必ず飽きるので、
iTunesなどでパソコンに取り込んで、
ランダム再生で楽しむのがいいでしょう。
いわばiTunesのこやし。
もちろんiPodで聴いてもいいでしょう。
あなたの音楽コレクションに厚みをもたせる
スパイスになることを請け合います。
ちなみに、メンブランのウェブサイトはこちら
→http://www.membran.net
北米のポピュラー音楽編
今回は、北米のポピュラー音楽のボックスセットを
ご紹介しましょう。
ジャズは次回以降で、今回はジャズ以外のものです。
「ディギン・ディーパー(ブルース)Diggin' Deeper」
私的ランキング:★★☆☆☆
おすすめ度 :★★☆☆☆
副題に「200 legendary blues treasures」と書かれています。
ブルースのアンソロジーです。
1923年から1947年までの録音です。
古い録音ばかりですが、
ロバート・ジョンソンRobert Johnsonや
ライトニン・ホプキンスLightnin' Hopkins、
マディ・ウォーターズMuddy Watersなど、
有名どころが多数収録されています。
ライセンスの関係からか、
ミュージシャンも曲の並びもちゃらんぽらんですが、
どうせもともとシングル盤なのですから、
構やしません。
なるほど、初期のブルーズとはこんなサウンドだったのかと
感心します。
しかし、10枚続けて聴くとたいがい飽き飽きします。
やはり、iTunesのこやしとして、
ランダム再生で楽しむのがよさそうです。
「ゴーイン・マッド・ブルースGoin' Mad Blues」
私的ランキング:★★☆☆☆
おすすめ度 :★★☆☆☆
これも同じくブルースの名曲集。
上の「ディギン・ディーパー」と、
似たようなミュージシャンが収められています。
ひょっとして重複があるのかもしれませんが、
これだけたくさんの曲が収められていると、
よくわかりませんし、どっちでもいいやという感じです。
収録されている曲は、どれもおそらく有名な録音でしょう。
このふたつのボックスセットを聴けば、
ブルースのなんたるかが、
なんとなくぼんやりわかってきます。*1
系統だったリスニングには向きませんが、
入門にはちょうどよさそうです。
「ジョン・リー・フッカーJohn Lee Hooker」
私的ランキング:★★★☆☆
おすすめ度 :★★★☆☆
1917年生まれのブルースマン、
ジョン・リー・フッカーの10枚組アンソロジー。
半世紀以上にわたる彼のキャリアの、
初期(1948-50's)の録音が収められています。
ほとんどがLP以前ですが、
ごく一部はステレオ録音です。
これはすばらしいです。
足を踏みならしながらの弾き語りが
最高にグルーヴィです。
おお、これこそブルーズかという気がしてきます。
彼の演奏と歌声はとても現代的で、
古くさく感じられません。*2
ギターをチュンチュン鳴らしながら
語るように歌うところは、(声質もあいまって)
ほとんどジミ・ヘンドリクスJimi Hendrixのように聞こえます。
ブルース好きもロック好きも、
このボックスセットは必聴でしょう。
最高のコストパフォーマンスです。
「ブギウギBoogie Woogie」
私的ランキング:★★☆☆☆
おすすめ度 :★☆☆☆☆
このボックスセットに収められているのは、
おもにピアノ独奏によるブルース演奏です。
ウィキペディア英語版によると、
ブギウギとは、ピアノによるブルースのことで、
おもに1930〜40年代に流行ったスタイルだそうです。
12小節のスリーコードのブルースを、
ギターの代わりにピアノで演奏しているという感じです。
古い味わいがあるのですが、
どれもこれも似たり寄ったりなので、
10枚も聴くともうたくさんという感じになります。
北米のポピュラー音楽史に興味のある方とか、
好事家以外にはあまりおすすめしません。
「カントリー&ウェスタンCountry & Western」
私的ランキング:★☆☆☆☆
おすすめ度 :★★☆☆☆
アメリカの田舎の白人がギターを抱えて
歌っていそうな歌のアンソロジー。
1928年から1951年までの、
古ーい録音が収められています。
ぼくはこれを聴いて、
ヨーデルの歌唱法がカントリー&ウェスタンに
多く取り入れられていることを知りました。
ヨロレヒ〜ってやつです。
ヨーデルだけではなく、アイリッシュなど、
ヨーロッパのフォーク音楽の要素が雑多に混じって、
それにブルースの要素が入り込んだ音楽という感じがします。
黒人が白人音楽と出合ってブルーズを生み、
白人が黒人音楽と出合ってカントリーを生み出したということが
なんとなくわかってきます。
このボックスセットには、
1952年以降の録音が収められたvol.2もありますので、
興味のある方は聴いてみてもいいでしょう。
「リズム&ブルースRhythm & Blues」
私的ランキング:★★★☆☆
おすすめ度 :★★☆☆☆
リズム・アンド・ブルースの
音源を集めた10枚組。
なんの解説もないので詳細は不明ですが、
1940〜50年代の音源が収められています。
R&Bって、なんのことかよく知らなかったのですが、
音を聴くと、なるほどと思いました。
エレキギターとベース、ドラムセット、
それに一部サックスなどを加えて演奏される
黒人音楽です。
ブルース以後、ロック以前という感じです。
白人ロックよりもグルーヴィです。
そのせいかどうか、録音が古くても味わいがあります*3。
これはなかなか掘り出し物でした。
興味のある方は、聴いてみてもいいでしょう。
「ロック・アラウンド・ザ・クロックRock around the clock」
私的ランキング:★★☆☆☆
おすすめ度 :★★★☆☆
最初期のロックンロールの名曲を集めた
ボックスセット。
ビル・ヘイリーBill Haleyの
「ロック・アラウンド・ザ・クロック」や、
エルヴィス・プレスリーElvis Presleyの
「ブルー・スエード・シューズ」、
リトル・リチャードLittle Richardの
「ロング・トール・サリー」などが収められています。
もちろん、古くさい曲ばかりなのですが、
これだけ有名な曲が入っていたら、
面白くないわけがありません。
こんな録音が10枚1200円だなんて、
ほとんどタダも同然です。
すぐに買った方がいいと思いますよ。
「ロックンロールRock 'n' Roll」
私的ランキング:★★☆☆☆
おすすめ度 :★★★☆☆
これも、上のボックスセットと同じく、
最初期のロックンロールを収めた10枚組。
リトル・リチャードの「トゥッティ・フルッティ」や、
チャック・ベリーChuck Berryの「メイベリーン」などが入ってます。
上のボックスセットと同じ曲が入っているような気もしますが、
まあ、多少の重複は大目に見てあげましょう。
BGMにすれば、気分はすっかりフィフティーズ。
これも、買って損はないと思いますよ。
ジャズ編その1へつづく
さて、きょうはこのへんにして、
つづきは次回ということにいたします。
(つづく)