ポーランドでユダヤ音楽を聴く!
今回のCD
ヤッシャ・リーベルマン・トリオJascha Lieberman Trio
「カジミエーシュの追想Rememberance of Kazimierz」
(1999 ポーランドuniversal 601215706024)
ユダヤ人受難の地
5月の連休にポーランドへ行ってきました。
観光旅行です。
でもってポーランドの古都、
クラクフでクレズマー(クレツマーKrezmer)のライブを聴いてきました。
クラクフKrakowの街についてはこちらをどうぞ。
http://www.cracow-life.com/
さて、クレズマーというのは、
東欧ユダヤ人(アシュケナージム)の民族音楽のことです。
行ったのは、クラクフのユダヤ人地区、カジミエーシュKazimierzにある
レストラン「アリエルARIEL」って店。
スピルバーグの「シンドラーのリストSchindler's List」の舞台になった、
ゲットー跡地のど真ん中にあります。
ウェブサイトはこちら。
http://www.ariel.ceti.pl/
よくあるレストランの余興じゃなくて、
ライブハウス並みに、レベルの高いバンドが出てるらしい。
ぼくが行った日は、ヤッシャ・リーベルマンJascha Liebermanって
ヴァイオリニストのトリオが出てました。
編成はヴァイオリン、アコーディオン、それにベース。
伝承曲と、自分たち自身の曲を演奏しました。
ヴァイオリンのヤッシャ・リーベルマンは、地元クラクフ出身。
クラクフの音楽院で、クレズマーの奏法を極めたらしい。
というわけで、ロビー・ラカトシュLakatosみたいな、
ハデハデの演奏を期待していたのですが、意外にしっとりと地味でした。
ヤッシャ・リーベルマンは、すぐれたテクニックを
見せびらかすよりはむしろ慎ましく披露していました。
(ヤッシャ・リーベルマン)
しかし、シリアスで抑制された音楽は、悲しい歴史の舞台になった街に
ふさわしかったかもしれません。
もの悲しいクレズマーの響きが、
カジミエーシュの夜の闇に祈るように消えていったのでした。
レストランで聴く音楽というよりは、
室内楽のホールで聴くのにふさわしい音楽という気がしました。
ここで彼らの演奏を観ることができます。
http://video.google.com/videoplay?docid=-3792129617462611892
後ろのテーブルに座ってたオランダ人のおっちゃんと話したら、
彼はけっこうこの手の音楽が好きらしくて、
ジョン・ゾーンのツァディックレーベルのこととかも知ってたよ。
時間があればもっと話したかったけど、いかんせん夜遅かったから、
まっすぐ宿に帰りました。
もちろん料理もおいしかったよ。
クラクフにお立ち寄りの際は「アリエル」へぜひ。
そうそう、
この日は、記念に彼らのCDも買ったけど、なかなかでしたよ。
タイトルは「Rememberance of Kazimierz」。
「カジミエーシュの追想」って感じかな。
CDの演奏も、実演と同じように、
抑制のきいた、哀感と祈りを感じさせるものでした。
たまにはこんな音楽もいいんじゃないかな?
ただ、こんなのを聴いていても、
女の子にはぜったいにもてないね。