山下洋輔トリオの復刻盤を聴く
伝説の山下トリオ最初期の録音
山下洋輔トリオの最初期のアルバム、
「ミナのセカンドテーマ」(1969)と
「木喰」(1970)が復刻になりました。
(FJSP-34&FJSP-35)
どちらもスタジオ録音。
ここ何年も「幻の名盤」状態だったので、
今回の復刻はうれしいかぎり。
この時期のサックスは中村誠一。
テナーはコルトレーン節だが、ソプラノは個性的ですばらしい。
とくに「木喰」のプレイはすごい。
森山威男のドラムスはもちろんすごいが、
このころはまだ神懸かってはいない。
バンドの中心はなんといっても山下洋輔のピアノ。
デビュー直後は、やはりリーダーの存在感が大きかったようだ。
このバンド、次第に森山威男の存在感が大きくなっていって、
さらに中村誠一が坂田明に変わったとき、みごとな躍進をとげる。
その頂点となる演奏は、前に紹介したアルバム「クレイ」だが、
しかし、この2枚のアルバムでも、すでにただならぬ音が響いている。
ジャズがお好きな方なら、ぜがひでも聴いてもらいたい。
荒削りながら、音のエネルギーを解放するパワーはやっぱりすごいのだ。
そういえば、山下トリオのデビュー盤、
「DANCING古事記」も近く復刻されるらしい。
こちらの演奏もすばらしいので、持ってないファンはしばし待て!
ただもちろん、こんなのを聴いていても、女の子にはもてないけどね。