森山威男と佐藤允彦はフリージャズでもすごい!

ジャズのライブ報告です


【今回のライブ】


ペーター・ブロッツマンPeter Brotzmann(sax/clarinet)
佐藤允彦(piano)
森山威男(Drums)
(2010年11月21日20:00〜新宿ピットイン)

フリージャズ三昧


久しぶりに新宿ピットインへ行ってきました。


サックスのペーター・ブロッツマンが、
佐藤允彦、森山威男とセッションをやるというので。


とうぜん、フリージャズでしょう。


しかし、この三人なら、
退屈するはずがない。


楽しみにして出かけました。


ライブハウスは大入り満員。
演奏もすばらしく、大いに盛り上がったのでした。


ただ、正直なところを言うと、
ペーター・ブロッツマンにはがっかりした。


期待しすぎたのかな。


なんというか、もっさりしてるんだよね。
鈍重という表現がぴったり。
とくにテナーサックス、どうにもかったるい。


それと、サウンドがひとつしかない。


ブオオオオ〜と、ただそれだけ。


無意味な咆哮、というフレーズが頭をよぎる。
アイディアが足りない。


サックスの音色は悪くないけど、これくらいの音を出す
サックス奏者なら、日本には掃いて捨てるほどいるしなあ。


すまない。
悪口は言いたくないんだ!


でも、ウソをつくことはできない。
許してほしい。


つまり、このセッションは、
サックスが伴奏(ベース?通奏低音?)で、
ピアノとドラムスが独奏なんだな。


そう思って聴きましたよ。


佐藤允彦はすばらしかった。


フレーズも、スピードも、
アイディアの豊富さも、申し分ない。
さすがだ。


ひとつひとつの音が
確信に満ちているという感じ。


しかも知的でエレガントだ。


フリージャズのピアノは、こうでなくちゃ。


セシル・テイラーに近いものを(ちょっと)感じたね。


森山威男も(言うまでもなく)すばらしかった。


すばらしいスピード、
ユニークなサウンド
そしてたまらないスリル!


一定のテンポがある普通のジャズでも、
そうでないフリージャズでも、
彼のスタイルはまったく変わらない。


やっぱり最高のドラマーだ。


ペーター・ブロッツマン
一本調子のサックスを吹いていても、
森山威男と佐藤允彦は、ドラマチックな展開を(つい)作ってしまう。


このふたりがデュオをやるところは、
もう最高でしたね。


でも、ペーター・ブロッツマンが邪魔をするんだ。


もう少し、ピアノとドラムスを聴かせてくれよ、
なんて思ってました。


でも、全体にはすてきなライブでした。


フリージャズを聴く楽しさを凝縮したステージだったね。
初心者にもおすすめできるかも?


ただ、こんなもの聴いていたら、
ふつうの女の子にはぜったいもてないから気をつけて!