弦楽四重奏版のモーツァルト「レクイエム」を聴く
今回のCD
「モーツァルト:レクイエム ニ短調(弦楽四重奏編)(クイケン弦楽四重奏団)」
MOZART, W.A.: Requiem in D minor (arr.for string quartet) (the Kuijken String Quartet)
(蘭・Challenge Classics SACC72121)
(NMLはこちら→ http://ml.naxos.jp/album/sacc72121 )
名曲はどう編曲したって面白い
なんとあの「レクイエム」が弦楽四重奏曲になってる。
モーツァルトのやつ。
演奏はクイケンカルテット。
シギスヴァルトとヴィーラントが加わってる。
編曲したのは19世紀のペーター・リヒテンターってオーストリア人らしい。
さすがに全曲丸ごとってわけじゃないけど、けっこう原曲に忠実。
ちゃんとあの音楽が聞こえてくる。
純粋に弦楽四重奏曲としても楽しめる出来。
これはハイドンの「十字架上のキリストの七つの言葉」弦楽四重奏版みたいな感じに近いな。
これ聴きながら、ぼくはJ.L.ボルヘスの一節を思い出しました。
「翻訳によって、名作文学の本質的なよさが失われることはない」
みたいなことだったかな。
音楽に置き換えても同じだと思うんですよ。
どう編曲したって、名曲はやっぱり名曲なんですよ。
ヴェーベルンがバッハなんかをせっせと別の編成に編曲してた故事を思い出してもいいよね。
編曲によって名曲の新たな側面に気がつくこともあります。
キワモノっぽいけど、たまにはこういうのもいいものです。
まあ、こんなもの聴いてても女の子にはもてないけどね。
(誰かヴェルディの「レクイエム」も弦楽四重奏にしてくれないものか?)