読響&カンブルランのフランクを聴く

今回のコンサート

読売日本交響楽団 第548回名曲シリーズ
2012年4月21日(土) 18:00 サントリーホール
指揮=シルヴァン・カンブルラン Sylvain Cambreling
サクソフォーン=須川展也


メシアン:ほほえみ
イベール没後50年〉
イベール:3つの小品
イベール:アルト・サクソフォーンと11の楽器のための室内小協奏曲
フランク:交響曲 ニ短調

読響の弦は日本一


読響の常任指揮者principal conductor、カンブルランの演奏を初めて聴きました。


実は、以前はあまり聴きたいと思わなかった。


彼の録音はメシアンとかハイドンとかずいぶん聴いたのですが、どうもぴんとこなくって。


ただ、今年になって聴いたベートーヴェンがあまりにすごかったので、俄然聴きたくなったわけです。


で、行ってきました。
きょうのプログラムはメシアンイベール、フランク。
フランスもの3点セット。


土曜日のサントリーホールは大勢のお客さん。


まずはメシアンの小品。
ゆっくりと速いのが交互に繰り返す不思議な曲。


弦の弱音とシロフォンがよかったね。


で、つづいてイベール
ことし没後50年なんだね。大好きな作曲家です。


まずは管楽器による室内楽
すごくセンスのいい音楽。
イベールには、もっと多くの人に知られてほしい曲がたくさんあります。


そして、同じくイベールのアルトサックス協奏曲。
独奏は須川展也


彼の生演奏は、10年前に吉松隆の個展で聴いて以来。
あいかわらずのふくよかな美音でした。


そして、読響のがやっぱりすばらしかった。
とくにヴァイオリンは言うことない。


音楽も絶妙。まさにフランス的な軽快さイベールの美点はそこにしかないのですが)。


ただ、ぼくはステージ後ろの席に座ってしまったので、音のバランスはなにがなにやらわからない感じでした。


後半はフランクのシンフォニー。
これは楽しみ。


おお、やっぱりかっこいい。


このくどさは、ちょっとフランスぽくない。
でも大好き。


ブラームスふうでもあるし、繰り返しが多いという点では、ちょっぴりブルックナーふうでもあるな、と考えたりしました。


まあ、そんなことはともかく、19世紀後半のシンフォニーの中で、ぼくが好きな数少ないもののひとつです。


やっぱり弦がすばらしい。
ただ、ぼくはステージのすぐ後ろに座っていたから、管楽器の音がガンガン聞こえてバランスがめちゃめちゃでした。


座る場所はだいじだね。


でも、楽しんで聴きました。


今回のコンサートでは、カンブルランらしさは、どこにあるのか、ちょっとわからなかった。
ま、何回も聴けばそのうちわかるでしょう。


終演後はホールがあたたかい拍手に包まれました。
読響はファンに愛されている、いいオケだね。


カンブルランのもとで、彼らがいっそう成長するという予感がします。
彼は、未来志向の指揮者だと思うんですよ。
新しい音が作れる人。


古くさいクラシックじゃなくて、21世紀の、アジアのオケのユニークな音を作ってほしいなと思います。
彼らには、それができると信じます。


今後も読響の演奏会に注目していきたいと思います。


まあ、フランクのシンフォニーはもてない音楽だと思いますけど。