メシアンのオルガン曲は瞑想の友
今回のアルバム
メシアン:聖体秘蹟の書(ジェイコブス)
MESSIAEN, O.: Livre du Saint Sacrement (P. Jacobs)
(香港・NAXOS 8.572436-37)
(ナクソスミュージックライブラリー)
http://ml.naxos.jp/album/8.572436-37
メシアンの「もてない音楽」
最初に関係ないことを書きます。
思うに「モテる」というのは、現在進行形でないと意味がないんですよ。
「俺も昔はモテましたよ」なんて言ってもダメ。
そんなの、現在ダメ人間だということの説明にしかならない。
いま「モテている」かどうかが常に問題なんです。
そういう意味じゃぼくはいまダメ人間ですよ。
世の中キビシイよ。
以上関係ない話でした。
さて、今回はメシアン。
メシアンって「もてない音楽」の筆頭だと思うんですよ。
「幼子イエスの20のまなざし」の全曲リサイタルとか、「アッシジの聖フランチェスコ」の全曲公演とか、デートではぜったいに行かないもんね。
行くわけない。行ったら破局だよ。
しかも今回のこれ、オルガン曲。
オルガン曲って人気ないんだよね。
ぼくも苦手だもん。
だからメシアンのオルガン曲ときたら、二重の意味でもてない。
このブログで紹介するのに最適です。
メシアンのオルガン曲、ぼくはたぶん全部聴いてるんですが、どれも一緒に聞こえる。
というのは、どれも白玉(全音符)ばっかりの静かな音楽だから。
このアルバムを選んだのもたまたまです。
どれ選んでも一緒と思ったので。
不思議なのは、メシアンのピアノ曲はあれほど饒舌なのに、なぜかオルガン曲は静謐だということ。
リストとかフランクとか、饒舌なオルガン曲は苦手なんですよ。
でも、こういう静かなやつはいいかも。
ほとんどアンビエント音楽。
たぶん、瞑想のためなんだろうな。
メシアンは敬虔なクリスチャンだった。
静かに神を思う、そのために奉仕する音楽ってことなんだろう。
彼は楽器ごとに、目的を変えていたんだろうね。
それにしても、オルガン曲でもやっぱりメシアンはメシアン。
あやしい。変態的な音響がぐわーんと響く。
超静かで超あやしい。
クセになるとたまらない。
面白いという保証はないけど、ちょっとためしてみても面白いかも?
ただもちろん、こんな音楽を聴いてたら、ぜったいにもてないよ。