フィリピンのギター音楽を聴く

putchees2012-06-05


今回のアルバム

「フィリピンのスペイン・ギター音楽集」Ric Ickard (ギター)
POPULAR GUITAR MUSIC OF THE PHILIPPINES
(香港、ナクソス NAXOS 8.557759)


ナクソスミュージックライブラリー)
http://ml.naxos.jp/album/8.557759

初のフィリピン訪問


短い休暇を取って、マニラへ遊びに行ってきました。


初めてのフィリピンです。


マニラに見るようなところがあるかしらん?と思っていたのですが、ちゃんとありました。


スミマセン。


とくに、マニラ中心部のイントラムロスと呼ばれる歴史地区。


ここはスペイン植民地時代に、総督の住む城だったようです。


西洋風の城壁がめぐらしてあって、内側に街がある。


スペイン時代からの建築物が多く残されていて、雰囲気のある町並みです。


とくにサンオウガスチン教会は印象的でした。
立派な石造りの建物が、400年以上の時を経て残されているのです。


17世紀のはじめ、マニラには3000人以上の日本人が住んでいたそうです。


高山右近が最晩年に住んだのも、ここイントラムロスだったそうです。


彼もこの教会を見ただろうか?


そんなことを歩きながら考えておりました。


しかし、この一体の建物は、というかマニラ全体が、1945年のマニラ攻防戦で甚大な被害をこうむったのです。


当時ここを植民地にしていた合衆国と、日本帝国の間で、はげしい戦闘があったのですね。


第二次世界大戦の太平洋戦線で、合衆国軍と日本軍が都市戦闘を行った、数少ない場所のひとつなんですね。


フィリピンの人たちにとってはまことに迷惑千万な話ですね。


そして戦後、マニラはフィリピンの人たちの力で(よろめきながらも)発展してきたのですね。


サンチャゴ要塞という史跡から川の向こうを眺めると、貧しい人たちの住居がたくさん見えました。


フィリピンの複雑な歴史と現代のありさまが凝縮されている風景でした。


1898年以降、フィリピンは合衆国の影響で英語が優勢になりましたけど、いまでも地名や人名はスペインの影響が強いですね。


宗教は多くの人がカソリック


教会で熱心に祈る地元のひとたちを見ていたら、ラテンアメリカに来たような錯覚を覚えました。


400年間のスペイン統治の影響力はいまも消え去っていないですね。


で、ナクソスミュージックライブラリーを探したら、こんなのを見つけました。
フィリピンのギター音楽。
フィリピンの作曲家の作品をフィリピンのギタリストが演奏。


なかなかいいですよ。
いかにもスペインふう


さびしげで、味わい深い。


なるほど。
スペインは暴力をもたらしたけど、こういう音楽をもたらしたというのは、必ずしも悪いことではないですね。


フィリピンの過去を思いつつ、これを聴きます。
おすすめできます。


ただ、地味なので、これを聴いててももてないけどね。