メニューインの51枚組EMI録音全集を聴く

putchees2009-08-09


今回のCD


メニューイン「グレートEMIレコーディングス」
Yehudi Menuhin : The Great EMI Recordings
(EMI 2641312)

20世紀最大のヴァイオリニスト


メニューイン(1916-1999)がEMIに残した録音の集成。
全集ではないのかな?


しかし、CD51枚というとんでもないボリューム。


30年代から晩年まで、まんべんなく収録。


いちばん充実しているのは、やはり40〜60年代。


フルトヴェングラーとの第二次大戦後の共演とか、
結構面白い。


しかし、同曲異演が大量に入っているので、
やや胃にもたれる。
(とくにベートーヴェンのヴァイオリン協奏曲は何種類も入ってる)

バルトーク


さて、個人的に面白かったのは、
次の曲でした。


まず、バルトークBartok無伴奏ヴァイオリンソナタ
なにしろ、メニューインは委嘱・初演者だ。


この録音を聴いて、はじめてこの曲を面白いと思ったよ。


しかし、メニューインは、バルトークが書いた
微分音の主題を、平均律に直してしまったそうだ。
おいおい。


ウォルトンWaltonのヴァイオリン協奏曲や、
作曲者自身が指揮した、
エルガーElgarのヴァイオリン協奏曲もよかったな。
ニールセンのマイナーなヴァイオリン協奏曲も面白い。


意外な掘り出しものは、
「英国作曲家のヴァイオリン協奏曲集」で、
バークレーLennox Berkeley(1903-1989)、
ウィリアムソンMalcolm Williamson (1931-2003)、
パヌフニクAndrzei Panufnik (1914-1991)の
作品が入ってる。パヌフニクはポーランド人だけどな。


どれもモダンな響きで、マイナーながら、
楽しめましたよ。


メニューインヴィオラを弾いてる録音もありました。
バルトークヴィオラ協奏曲とかね。


で、ドビュッシーDebussy
「フルート、ヴィオラ、ハープのためのソナタ」を
やってるんですが、これがすばらしい


この曲、こんなにいいと思ったのは初めてですよ。

ショーソンの名曲


でもって、CD51枚の中で、
もっとも感銘を覚えたのが、
ショーソンChaussonの「コンセール ニ長調」って曲。


なんてメランコリックな音楽でしょう。


うーん、こんな名曲があったのを知らなかったなんて!


この曲だけでも聴く価値があると思いましたね。


ヴァイオリン好きなら、CD51枚聴き通す価値があると思います。


もっとも、こんなのを聴いてても、
女の子にはもてそうにないけどね。