メニューインの51枚組EMI録音全集を聴く
今回のCD
メニューイン「グレートEMIレコーディングス」
Yehudi Menuhin : The Great EMI Recordings
(EMI 2641312)
20世紀最大のヴァイオリニスト
メニューイン(1916-1999)がEMIに残した録音の集成。
全集ではないのかな?
しかし、CD51枚というとんでもないボリューム。
30年代から晩年まで、まんべんなく収録。
いちばん充実しているのは、やはり40〜60年代。
フルトヴェングラーとの第二次大戦後の共演とか、
結構面白い。
しかし、同曲異演が大量に入っているので、
やや胃にもたれる。
(とくにベートーヴェンのヴァイオリン協奏曲は何種類も入ってる)
バルトーク!
さて、個人的に面白かったのは、
次の曲でした。
まず、バルトークBartokの無伴奏ヴァイオリンソナタ。
なにしろ、メニューインは委嘱・初演者だ。
この録音を聴いて、はじめてこの曲を面白いと思ったよ。
しかし、メニューインは、バルトークが書いた
微分音の主題を、平均律に直してしまったそうだ。
おいおい。
ウォルトンWaltonのヴァイオリン協奏曲や、
作曲者自身が指揮した、
エルガーElgarのヴァイオリン協奏曲もよかったな。
ニールセンのマイナーなヴァイオリン協奏曲も面白い。
意外な掘り出しものは、
「英国作曲家のヴァイオリン協奏曲集」で、
バークレーLennox Berkeley(1903-1989)、
ウィリアムソンMalcolm Williamson (1931-2003)、
パヌフニクAndrzei Panufnik (1914-1991)の
作品が入ってる。パヌフニクはポーランド人だけどな。
どれもモダンな響きで、マイナーながら、
楽しめましたよ。
メニューインがヴィオラを弾いてる録音もありました。
バルトークのヴィオラ協奏曲とかね。
で、ドビュッシーDebussyの
「フルート、ヴィオラ、ハープのためのソナタ」を
やってるんですが、これがすばらしい。
この曲、こんなにいいと思ったのは初めてですよ。