やっぱり70年代の日本ジャズを聴いてる(3)
日本のジャズは宝の山
ひきつづき1970年代の日本のジャズを聴いてます。
まずはこれ。
ピアニスト、鈴木宏昌の1978年のアルバム。
Suzuki Hiromasa Trio :PRIMROSE (1978)
たいへんスタイリッシュなピアノです。
ぼくはジョン・テイラーとか思い出しちゃった。
この人、佐藤允彦や大野雄二と同じ時期の慶應義塾出身なんですね。
しかも「海のトリトン」の主題歌の作曲家。
これまで演奏を聴いたことがなかったのが恥ずかしい。
このアルバムはオリジナル曲ばかりかな?
どの演奏もいい。井野信義のベースもいい。
しかし、スティーブ・ジャクソンのドラムスがうるさい。デリカシーがない。
まことに惜しい。
しかし聴く価値のあることは保証します。
さて、つづいてこちら。
ベーシスト鈴木勲の74年のアルバム。
Suzuki Isao Quartet: Blow Up (1974)
どの曲もまことにカッコイイのですが、タイトル曲の「Blow Up」がいい。
烈しいジャズロックで、ベースがテーマを取る。
この生々しいサウンド。
Three Blind Miceレーベルの録音はどれもいいなと思ってたんですが、それが確信に変わりました。
ベースが目立ちながらも出しゃばらない。
こういう録音はなかなかできるもんじゃないと思うのです。
このレーベルはいいですね。
ぼくはジャズ聴いて20年ですけど、これまでそれを知らなかったという事実に愕然とします。
さて、続いてこちら。これもTBMレーベル。
アルトサックス奏者大友義雄のアルバム。
Otomo Yoshio Quartet: Moon Ray (1977)
普通のジャズなんですけど、いい音色とフレーズですよね。
ベースは川端民生、ピアノは山本剛。
じつにしっかりしてて、これぞジャズという感じのサウンドです。
スタンダードのIf I should youがすばらしい。
そしてベーシスト宮本直介の74年のアルバム。
Miyamoto Naosuke Sextet: STEP!(1974)
6人編成のバンドで、アレンジも凝ってて、ビッグバンドのようなサウンド。
個人的にはあまり好きなタイプではないけど、この熱っぽさには心打たれる。
サックスやトランペットもいいけど、やっぱりリーダーのベースがいい。
こういうベースは好きなんですよ。
心を静めたいときには合わないけど、ガッツが欲しいときにはいいよね。
これもTBM。なんてすごいレーベルなんでしょう!
で、最後はまた渡辺貞夫。
Watanabe Sadao: Open Road (1973)
これはライブ録音の2枚組。
かなり凝ったアレンジとサウンドで、ジャズロックとボサノバが混在してる。
共演者も豪華。(渡辺文雄のドラムスと鈴木良雄のベースがいい)
しかし、なにより聴くべきは渡辺貞夫のサックス。アルトとソプラニーノを吹いてる。
とくに終盤の怒濤のソロがすごい。
ほんとうにすごい。開いた口がふさがらない。
ナベサダのすごさは知ってるつもりでいたけど、なにも知らなかったのだと痛感しました。
これを聴かないのはあまりにもったいので今すぐ聴いてください。
1970年代の日本のジャズはほんとうに豊かですね。
宝の山の探求をもう少し続けます。
ただ、こんな音楽を聴いてても女の子にはもてないけどね!