吉松隆という作曲家を知ってますか?

putchees2004-12-18


本日のCD

メモ・フローラ/吉松隆作品集2
  • ピアノ協奏曲「メモ・フローラ」/ Piano Concerto "memo flora"
  • 鳥は静かに...、/ And Birds are Still...
  • 天使はまどろみながら/ While an Angel falles into a Doze
  • 夢色モビール / Dream colored Mobile
  • 白い風景 / White Landscape

ピアノ/田部京子 藤岡幸夫指揮マンチェスターカメラータ
piano :TABE,Kyoko, cond : FUJIOKA, Sachio Manchester Camerata
(英国Chandos:CHAN-9652)


よくコラムとか書いてます。


吉松隆という作曲家がいます。
1953年生まれだから、もう51歳。


彼の作品はたいへんロマンチックで、
甘いメロディとたゆたうようなリズムに満ちています。


彼は、いまの日本ではたいへん珍しい
大作指向の作曲家で、大がかりな「交響曲」を、
すでに5つも作っています。


彼自身の作品より、文章のほうが有名かもしれません。
クラシック系の音楽雑誌によく書いてます。


最近は朝日新聞にコラムを連載していたりもします。

美しいメロディを書いちゃダメなの??


その文章の中で、彼は昔から一貫して、
わけわからん非音楽的なゲンダイオンガクを
正面から批判し続けています。


「前衛なんて、耳の中にゴミをぶちまけるようなものだ」


といってはばかりません。


そんな彼は、勇気ある音楽家です。


なぜなら昔なら、そんな言葉を書いたとたんに、
あるいは、(信じがたいことですが)
美しいメロディや和音を書いたとたんに、
だめなヤツという烙印を押されかねなかったのですから。


それくらい「前衛」が偉い!
わけわからん音楽が偉い!
と信じられていた時代があったのです。


彼の偉いところは、言葉だけじゃなくて、自作で
「やっぱりメロディやハーモニーがなきゃだめだ」
ということを証明し続けていることです。


甘ったるいとか、どれを聴いても同じとか、
彼の音楽を難じることは簡単ですが、
ひとつのスタイルを貫くことは、
(特に今の時代)なかなかできることではありません。

7つの協奏曲の中の最高傑作!


そんな彼の作品リストには多くの協奏曲があります。
ギター、ファゴット、サックス、
ピアノ、トロンボーン、尺八&琴、チェロという、
ちょっと風変わりなラインナップです。


このうちのピアノ協奏曲「メモ・フローラ」を
最近初めて聞きました。


すばらしいです。
さわやかな風のような音楽です。


西洋のいわゆる「クラシック」しか
聴いたことのない人にこそ聴いてもらいたい音楽です。


ピアノ協奏曲って、
ショパンラフマニノフだけじゃないんだよ。


彼の作品を聴いて、
現代にこんな美しい音楽があるのだということと、
日本人にもこんな美しい曲が作れるのだということを
知ってもらいたいのです。



彼の作品の演奏会には女性もいますが、まだ空席が目立つので、
こんなものを聴いていても、女の子にはもてないのですが。


(この文章は、以下のURLに2004年11月29日に掲載したものを改訂しています)
http://putchees.m78.com/newsanddiary.html