渋さ知らズの比類なき「サウンド」を聴け!

putchees2004-12-21


今回はライブ報告です。


いささか旧聞に属しますが、去る12月1日、
渋さ知らズのライブを聴いてきました。
場所は新宿ピットインPITINN。


当夜はなぜか不破大輔(リーダー兼指揮者)が
いつになく上機嫌で、歌ったり踊ったり、
やたらと元気でした。なにかあったのかな?


演奏はいつも通りですが、場所柄、
いつもよりジャズっぽいサウンドだったように思います。
ボーカル曲もなかったし。


8時に始まって、10時には終了したから、
約2時間の短いステージでした。
全体としてはいささか平凡な印象だったかな。


26歳の青年と聴きに行ったのですが、
彼は渋さ初体験だったらしく、
「スゲエっすよ!」
と大感動だったようです。


ぼくも最初なら、あのステージできっと感動したに違いありません。


そういえば、渋さのアルトサックス・泉邦宏は、
ついに脱退したようですね。たいへん残念です。


当日もらったチラシによれば、
来年渋さのワールドツアーがあるんですか?
ついていきたいなぁ。


1月は、渋谷O-EASTのステージに立つそうなので、
そちらも楽しみです。

渋さ知らズに欠かせない人たち


渋さ知らズは長年の間に
メンバーがずいぶん入れ替わってますが、
核になるサウンド自体はきわめて一貫してます
(時代によって若干の変化はありますが)。


これはやはりダンドリスト(指揮者兼リーダー)不破大輔
楽家としての力量のなせるわざでしょう。


とはいえ、この人が抜けたら渋さ知らズの音は
きっと変わっちゃうだろうなーと思われる人もいます
(だから抜けないで欲しいのですが)。

日本ジャズ界の至宝!片山広明!


その筆頭は、なんといっても
テナーサックスの片山広明でしょう。


渋さ知らズを最初に聴いた人が
まずショックを受けるのが、
彼の吹くテナーサックスの音です。


あの爆音!


あの密度!


あのグルーヴ!


片山広明は、日本ジャズ界の至宝といっても
いいのではないでしょうか。


ぼくにとって、片山広明と渋さ知らズ自体は
不可分に結びつけられています。

痛恨!泉邦宏が脱退!


もうひとりはアルトサックスの泉邦宏です。


彼の吹くアルトサックスは、
片山広明のテナーと並んで、
渋さ知らズのフロントを支えていたと思います。


彼は90年代後半にも、一時的に渋さを離れていましたが、
復帰したときにバンド全体のサウンド
確かに変わったと感じました。


彼の奏でるビブラートのきいた音色は、
唯一無二のサウンドだと思います。


だからこそ、今回の再脱退に断腸の思いです。
彼は、自身のバンドなどでさらに躍進を続けることでしょう。

ベースの怪物! ヒゴヒロシ


いまひとりはベースのヒゴヒロシです

彼の生み出すグルーヴには毎度うならされます。


なにしろあれだけのバンド
(しかもフロント陣はテンポメチャメチャ)を
たったひとりのベースで支えてるわけですから、
並のベーシストじゃつとまりません。


いつも尊敬してます。

チューバとギターにも注目!


ぼくが聴き始めた97年ごろは、
フロントに川下直広や広瀬淳二(ともにテナー)、
バックに大沼志朗(ドラム)という
そうそうたるメンバーがいて、
それはそれはものすごい音でした。


彼らが抜けて寂しい思いをしたのですが、
きっと別の“すごい音”を出すメンバーが育って、
穴を埋めてくれることでしょう。


最近注目しているのが、チューバの高岡大祐です。


彼は、爆音が出せて歌心もある、
希有なミュージシャンなのではないでしょうか。


ギターの大塚寛之もいいです。
少々やりすぎてしまうときもあるようですが、
加藤崇之よりもいいんじゃないかなー。


もちろん、ヴァイオリンの勝井祐二も忘れてはいけません。

不滅の、生命力あるサウンド


渋さ知らズの聴衆は(フジロックの影響か)
年々増え続けているので、昔のように
狭いジャズクラブの親密な雰囲気の中で聴くという
感じではなくなりつつありますが、
たとえ会場や聴衆が変わろうと、
またメンバーがどれだけ変わろうと、
渋さのサウンドに含まれる、
揺るぎない存在感が失われない限り、
ぼくはライブに足を運び続けるつもりです。


みなさんもぜひいちど、生の渋さ知らズを体験してみてください。
きっと、これまでにない感動にふるえるはずです。


年末には、恒例の江古田・バディBuddyでのライブがあるはずです。
ぼくはあいにく仕事で行けませんが、ご予定のない方はぜひ!


ただ、渋さ知らズを聴いていても、別に世間一般の
女の子にもてるわけではありませんのであしからず。


(この文章は、以下のURLに2004年2月15日と12月2日に掲載したものを改訂しています)
http://putchees.m78.com/newsanddiary.html