セシル・テイラー初来日公演(1973)に関する訂正

putchees2005-06-05


本日はレビューではありません


今回の文章はレビューではありません。
過去に本レビューで紹介した2枚のCDに関する新情報と訂正です。


1973年に初めて来日したフリージャズピアニスト、
セシル・テイラーCecil Taylorが東京で録音したふたつのアルバム、
「アキサキラAkisakila」(レビューはこちら→id:putchees:20050216)
それと「ソロSolo」(レビューはこちら→id:putchees:20050321)
に関して、たいへん詳細な文章をネット上で見つけました。


↓こちらです。
http://www.jazztokyo.com/inaoka/vol7/v7-2.html


ふたつのアルバムの発売元であるトリオレコードの
プロデューサーが記したエッセイです。


この文章によって、ぼくがレビューを書いた時点で
不明のままだったいくつかのことがはっきりしました。


ひとつはセシル・テイラー来日公演のスケジュールです。

セシル・テイラー・ユニット 日本ツアー・スケジュール>
5月19日 名古屋 愛知文化会館
5月20日 京 都 京都文化会館
5月21日 東 京 新宿・厚生年金会館
5月22日 東 京 新宿・厚生年金会館(ライヴ録音)
5月23日 大 阪 サンケイホール
5月24日 新 潟 新潟県民ホール
(5月29日 東 京 イイノホールにてピアノ・ソロ録音)


セシル・テイラー一行は、1973年5月19日に、
当時のユーゴスラヴィアザグレブから羽田(当時の東京の玄関口)に
降り立ち、そのまま東海道新幹線で名古屋へ移動、
市内の愛知文化会館で最初のコンサートを行ったそうです。


その後は京都、東京、大阪、そして新潟と回ったようです。
ちなみに上のスケジュールにある、5月22日の録音が、
「アキサキラ」としてリリースされたステージです。


そしてもうひとつ、ぼくのレビューでは、
5月23日未明録音ということになっていた「ソロ」の録音が、
実際には、すべてのツアーが終了した
5月29日に行われていたことがわかりました。


そしてなにより、このふたつのアルバムのリリースに
際して、関係者がたいへんな苦労をしたことがわかりました。


名アルバムは、偶然によって生まれるものではないということが
わかります。


日本にジャズを根付かせてきた先達の仕事に、
改めて敬意を表したいと思います。


こういった情報は、当時の新聞や雑誌などを丹念に調べれば
おそらくわかることなのですが、つい無精をして、
ネットだけの取材に頼ってしまいます。
なるべく文献に当たってから文章を書くように努めたいものです。


ちなみに、ぼくのこの文章だけではわけがわからないと思うので、
よかったら過去のレビューを読んでみてください。


そしてもしよろしければ、セシル・テイラーが1973年に残した
対照的なふたつのパフォーマンスを、聴いてみてください。


もっとも、このようなジャズを聴いていても、
女の子にはぜったいにもてませんけど。


(予告:次回はナクソスNaxos日本作曲家選輯シリーズ最新作、
 深井史郎作品集を紹介する予定です)