ぜいたくなBGMに南米のギター独奏曲をどうぞ!

putchees2006-04-23


渋いクラシックのBGM


今回から3回ほど、BGMとして楽しめる
クラシックのCDをご紹介します。


もちろん、女の子にもてるような音楽ではありません。


男ひとりの夜にふさわしいような音楽です。
じんわりと心に沁みる、もてないBGMをどうぞ。

今回はCD紹介です


【今回のCD】
ラテンアメリカ・ギターフェスティバル
Latin America Guitar Festival
ナクソスNaxos8.550273)


【曲目】
●アントニオ・ラウロAntonio Lauro
マリア・ルイザ/子守歌/ホーロポ舞曲/カローラ/ナタリア/ネリー
●ホルヘ・モレルJorge Morel
前奏曲(オルガのために)/ブラジル舞曲
●ホルヘ・カルドーソJorge Cardoso
ミロンガ
●エリセオ・グルネEliseo Grenet
眠る可愛い黒人の娘(ブローウェル編arr. L.Brouwer)
●レオ・ブローウェルLeo Brouwer
組曲ニ長調
●エラクリオ・フェルナンデスHeraclio Fernandez
悪魔の休息(ディアス編arr. A.Diaz)
●アリエル・ラミレスAriel Ramirez
アルフォンシーナと海
アストル・ピアソラAstor Piazzolla
5つの小品
●ローランド・ディアンスRoland Dyens
タンゴ エン スカイ


【ミュージシャン】
ジェラルド・ガルシアGerald Garcia(ギター)

地味なジャンル


クラシックギターというのは、
一般には、たいへん不人気なジャンルのようです。


おそらく地味というイメージなのでしょう。


たしかに、ギター一本で奏でるクラシックというのは、
ケレン味がないかもしれません。


しかし、よく聴けば、これほど楽しいジャンルはありません。
隠れた名曲を探したいという方には、おすすめです。


今回ご紹介するのは、
南米の作曲家によるクラシックギター独奏曲の
アンソロジーです。


廉価盤専門レーベル・ナクソスのCDですから、
1000円ほどで手に入ります。


ぼくのような貧乏人でも気軽に聴くことができます。


だまされたと思って聴いてみてください。

耳になじむ名曲ぞろい


1曲目の「マリア・ルイザMaria Luisa」の
くつろいだメロディから、耳が惹き付けられます。


ナイロン弦のかなでる音はとてもやさしく、
神経に障るようなことはありません。


BGMとして流しても、生活のさまたげになることはありませんし、
注意深く聴いても、それにこたえてくれるだけの内容があります。


鑑賞に堪える、ぜいたくなBGMです。


このCDに収められているのは
どれも、たいへんなじみやすい曲です。
メランコリックなもの、やさしいもの、
ハッピーなものと、曲調はさまざまですが、
どの曲も最良のくつろぎを感じさせます。


そしてどの曲にも、
いかにもイベロアメリカらしい、
エキゾチズムが感じられます。


人気のアストル・ピアソラ
「5つの小品Cinco Piezas」も収められています。


これまで、いろんなクラシックギターのCDを聴きましたが、
そのなかでも聴く回数が多いのが、この一枚です。


クラシックのマニアからはバカにされそうですが、
ぼくにはこれでじゅうぶん楽しめます。
廉価盤といって、あなどれません。


これをきっかけに、クラシックギターの豊かさに
目を開く人がいるかもしれません。


中南米(イベロアメリカ)だけでも、
このCDに収められた作曲家のほかに
ポンセPonceやヴィラ・ロボスVilla Lobos、バリオスBarrios、
ヒナステラGinastera、ユパンキYupanquiなど、
ギターの名曲を残した作曲家が大勢います。


それらのCDを聴いてみるのも楽しいと思います。

新ジャンルを開拓したい方へ


昔のぼくなら、クラシックギターなんて
見向きもしなかったでしょう。


しかしいまでは、ピアノ曲を聴くより、
ギター曲を聴くほうが多いくらいです。


どんな音楽も、実際に聴いてみるまでは、
よさがわからないものです。


もし新しいジャンルを開拓したいという人がいたら、
クラシックギターは、いちばんのおすすめです。


ただもちろん、地味ですから、
こんなのを聴いていても、女の子にはもてないと思いますけど。


(この稿完結)