山田耕筰の野心作「長唄交響曲 鶴亀」を聴け!!

putchees2006-11-26


ついにCD発売!


昨年、このレビューでご紹介した曲が、
CDになって発売されました。


全国のCD店で絶賛発売中です。
音楽ファンのみなさん、ぜひお聴きください。

今回はCD紹介です


【今回のCD】
日本作曲家選輯山田耕筰2」
(香港・ナクソス8.557971J)
*日本語解説書付き(執筆: 片山杜秀)


【曲目】
作曲:山田耕筰(1886-1965)
長唄交響曲 「鶴亀」(1934)
交響曲 「明治頌歌」(1921)
■舞踊交響曲マグダラのマリア」(1916)


【ミュージシャン】
●指揮:湯浅卓雄
管弦楽東京都交響楽団
長唄:東音宮田哲男 他
●三味線:東音味見亨 他
篳篥:溝入由美子

日本人作曲家のオーケストラ作品集


このCDは、香港のナクソスNAXOSレーベルが
出している「日本作曲家選輯」シリーズの一枚です。


「赤とんぼ」などの歌曲で有名な
山田耕筰(やまだ・こうさく)の
オーケストラ曲集です。


日本作曲家選輯」の山田耕筰作品集は、
これが2枚目になります。


1枚目の詳細はこちらです。
http://www.naxos.co.jp/title.asp?sno=8.555350&cod=3048


しかし、今回の2枚目のほうが、
多くの音楽ファンにとって、
はるかに魅力的なのではないでしょうか。


このCDに収められたのは、
江戸時代の音楽・長唄と西洋オーケストラを組み合わせた
野心作長唄交響曲 鶴亀」、
そして偉大な時代・明治に捧げた
管弦楽曲交響曲 明治頌歌」などです。


この2曲については、
昨年のレビューで詳細にご紹介しています。
こちらをお読みください→
http://d.hatena.ne.jp/putchees/20051016


今回のCDは、
昨年のコンサートと同じメンバーによる録音です。
指揮は湯浅卓雄、オーケストラは都響です。


綿密なセッション録音によって、
すばらしい内容に仕上がっています。

篳篥の音色にしびれる!


CDを聴いて驚きました


コンサートで実演を聴いたときと、
曲の印象が大きく異なるからです。


「鶴亀」も「明治頌歌」も、
よりいっそうドラマチックになっています。


ことに「明治頌歌」は、交響詩としての劇的な構成が
実演のときより明瞭になっている印象です。


明治天皇の葬礼に当たる部分で篳篥(ひちりき)が入る瞬間は、
まさに鳥肌もの


日本人が作った交響詩の傑作といえます。

長唄とオーケストラの共演!


とはいえ、このCDの目玉はなんといっても「鶴亀」でしょう。
長唄の名曲に、山田耕筰
ベルリン仕込みのオーケストラ伴奏を加えた作品です。


ペンタトニックスケールで演奏される長唄に、
オーケストラのマイナーキーによる伴奏が付くことで、
現代人の情緒に強く訴えかける音楽になっています。


大音量で聴いていると、クライマックスの部分で
思わず「おお!すごい」と声が出てしまいました。


それくらい強烈な印象をもたらす音楽です。


みなさんもぜひ一度聴いてください。
プッチーケイイチが自信を持ってオススメする一枚です。


ただもちろん、こんな音楽を聴いていたら
女の子にはぜったいにもてません。