新響で芥川、黛の名曲に酔う!

putchees2008-02-06



少し前に、アマチュアオーケストラの
交響楽団(新響)を聴いてきました。


マチュアといってなめてはいけません。
誠実な演奏で定評ある楽団ですよ。*1
今回も楽しいコンサートでした。

コンサート報告です


【今回のコンサート】
交響楽団 第200回演奏会
2008年1月27日(日)東京芸術劇場(池袋)

【曲目】
芥川也寸志:交響三章
黛敏郎バレエ音楽舞楽」 
ストラヴィンスキーバレエ音楽春の祭典」 
(指揮:小松一彦)

新響の十八番


今回の曲目は芥川、黛、ストラヴィンスキー


新響は芥川也寸志が育てたオーケストラ。


その芥川は、ストラヴィンスキーに触発されて作曲家を目指した人。


そして黛敏郎は、同じくストラヴィンスキーを愛した芥川の盟友。


なんとも相性のいいプログラムです。
新響らしい。


さて、1曲目は芥川の「交響三章」
芥川の事実上のデビュー作です。


ぼくはこの曲、あまり好きではありませんでした。
「交響管絃楽のための音楽」と
「弦楽のための三楽章」のほうがずっと好きです。


ところが、今回の演奏はすばらしかった。
ことに第三楽章、びっくりするようなスピードで
エネルギッシュに鳴り響く音楽にしびれました。


最初のふたつの楽章も輝かしい演奏で、最高でした。


さすが新響。芥川は十八番です。


芥川と伊福部の演奏にかけては、
新響の右に出る楽団はないかも?と思いましたよ。

黛は天才!


つづく黛敏郎の「BUGAKU」(舞楽)もすばらしかった。


以前ここで取り上げた曲です
id:putchees:20050313


曲自体はムツカシそうでした。


冒頭の「音取り」の部分なんて、
そうとうの技倆が求められるのではないでしょうか。


ああ惜しいな、と思う立ち上がりでしたが、
全体にはまとまった演奏でした。


途中二度ある、ピッコロのソロは
きれいに決まってました。よし!


いやあ、なんてすてきな曲なのでしょう。
日本の伝統音楽(雅楽)が、みごとに
現代のオーケストラに移し替えられているのです。


はげしくて、高貴な音楽です。
エキゾチックで、うっとりするほど美しい。


やっぱり黛敏郎は天才だ!


前半のこの二曲だけで、
来た甲斐があったというものです。

満足度の高いコンサート


後半の「春の祭典」は、
ちょっとお行儀がよすぎたでしょうか?


しかし、楽譜に書いてあるすべての音を誠実に
再現しようとする意気込みは、ひしひしと伝わってきました。


一緒に聴きに行っていた、
春の祭典」にはうるさいKさんが、
「なかなかじゃないですか。この曲はプロでも必ず間違えるんだから」
と言ってました。


さすがは新響です。
東京芸術劇場を満席にするだけのことはあります。


例によって弦の音が小さいなあとは思いましたが、
まあ、それには触れずにおきましょう。


一年ぶりに聴きに行きましたが、
たいへん満足度の高い演奏会でした。


例によって詳細なパンフレットもすばらしく、
「BUGAKU」初演時の不評ぶりなど、
たいへん興味深く読みました。


新響のコンサートは、だから行くのが楽しい。
ほかの方にもおすすめしたいです。


もっとも、こういう演奏会に足を運んでいても、
女の子にはもてないよねぇ。


(この稿完結)

*1:過去の新響の記事はこちら→id:putchees:20070206 id:putchees:20060823