ショスタコーヴィチの弦楽四重奏で鼻血を出せ!
今回のCD
「ショスタコーヴィチ:弦楽四重奏曲全集3 第8番,第9番,第13番」
SHOSTAKOVICH: String Quartets (Complete),Vol.3 - Nos.8,9,13
(英・シャンドスCHAN9955)
ソレール弦楽四重奏団 - Sorrel String Quartet
ナクソスミュージックライブラリー:http://ml.naxos.jp/album/CHAN9955
もてない弦楽四重奏曲
20世紀の弦楽四重奏曲といえば、バルトークかショスタコーヴィチです。
個人的にはブリテンも加えたいけど、量と質を考えたら、やはりこのふたりが突出しています。
さて、今回はショスタコーヴィチについて。
以前はこの人の曲はあまり好きじゃなかったけど、さいきん気に入ってます。
とりわけ、弦楽四重奏曲の8番はすごい。
例のDSCHというフレーズが聞こえてくると、おもわず戦慄が走ります。
ぼくは何年か前にエマーソンカルテットのCDを聴いて、モーレツに感激しました。
なんとエキサイティングかつハードボイルドな音楽でしょう。
自己憐憫とか甘っちょろい感傷を寄せ付けない厳しい音楽なんだな。
聴いてて鼻血が出そうになるぜ。
で、さいきんこの映像を見て、またしびれた。
シモン・ボリバル・ユース・オーケストラのメンバーが組んでるカルテットによる演奏。
これはちょっとすごいでしょ。
思わず言葉を失う。マジすごい。
しばらく毎日この動画を見てました。
ほかに8番のいい演奏はないかしら?
で、ナクソスミュージックライブラリーでいいのを見つけたのでご紹介します。
ソレール四重奏団。英国の若手アンサンブルらしい。
シャンドスからショスタコーヴィチの全集を出してる。
どれもいい演奏。もちろん8番もよかった。
上に紹介したシモン・ボリバル四重奏団にはかなわない(というか質が違う)けど、かなり情熱的。
うーん、暑苦しい。この切迫感!
D〜S〜C〜H♪
しびれるぜ!!!
これぞ「もてない音楽」の理想のカタチでありましょう。
こんな曲を「わたしショパンとモーツァルトが好きなんです」という女の子に聴かせたら、確実に裸足で逃げ出すね。(あるいは張り倒されるね)
しかし、ほんとうに音楽が好きな人になら、このすばらしさが伝わるのではないでしょうか。
それともそれは永遠にわかり合えない壁なのでしょうか。
後者だと思う。