オランダのユニークなミニマル音楽を聴く

putchees2012-09-11


今回のアルバム

シメオン・テン・ホルト「カント・オスティナート(2台ピアノ編)」(ハース/ヴィーリンガ)
Simeon Ten Holt: Canto ostinato (Haas, Wieringa)
キース・ヴィーリンガ - Kees Wieringa (ピアノ)
ポロ・デ・ハース - Polo de Haas (ピアノ)
(蘭、Etcetera:ktc1367


ナクソスミュージックライブラリー http://ml.naxos.jp/album/ktc1367

NMLにもっとテン・ホルトの曲を!


オランダの作曲家、シメオン・テン・ホルト(1923-)は、ユニークなスタイルの作曲家です。
彼のピアノ曲はミニマル音楽なんだけど、アダムズとかグラスとかとはぜんぜん違う。


機械的な繰り返しじゃなくて、ジャズに近い即興的な変化が、繰り返しのなかでゆらいでいく感じ。


耳にすぐなじむし、ここちいい。
かといって退屈ではなく、コンサートホールで聴いても集中して聴けそうかも、と思ってしまう。


彼の複数ピアノのための作品集は、以前ご紹介しました
すばらしい名曲揃いです。


ついでに動画でもご紹介しましょう。



うーん、やっぱりいいな。


ところが、ナクソスミュージックライブラリーの膨大なカタログの中に、彼の作品は、たった2枚しか入っていない!
「カント・オスティナート」のハープ版と、今回ご紹介する、2台ピアノ版だけです。


うーん、なんと悲しいこと。


このユニークな作曲家は、もっと知られるべきだと思うのです。


ぜひ、いい録音をたくさん収録していただきたい。
そして、ナクソスミュージックライブラリーで聴けるようになってほしいものです。


世界の独立レーベルのみなさん、そしてナクソスの方に大いに期待しています。


このアルバムに収められているのは、もともと4台ピアノのための「カント・オスティナート」を、2台のピアノ用に編曲したもののようです。


たとえ編曲されても、曲の味わいはほぼ損なわれていません。
悲しげで、美しいメロディに酔うことができます。


未体験の方には、ぜひ聴いてもらいたいものです。
こんなに繰り返しが多いのに、なぜかとても美しいピアノ曲なのです。


ただもちろん、こんなん聴いてても、女の子にはもてませんね。とほほ。