グルジェフ&ハルトマンのピアノ曲を聴く!

putchees2010-02-02


今回のCD


グルジェフ&ハルトマン「ピアノ作品1 アジアの歌とリズム」
GURDJIEFF/HARTMANN「Music for the Piano Vol.1: Asian Songs and Rhythms」
(ドイツ・WER6284-2)

音楽聴き放題


最近ナクソス・ミュージック・ライブラリー
入会しました。


http://ml.naxos.jp/


ひと月1,890円で、ウェブ上で音楽聴き放題ってやつ。


ナクソスだけじゃなく、
シャンドスやBISといった、
クラシックの有名な
独立系レーベルが参加してる。


要するに、DGやEMI、SONYといった
メジャーレーベル以外の音源なら、
たいてい聴けるってわけ。


これ、思った以上にいい。
とくに、マイナー音楽好きのぼくにはぴったり。


しばらくCDは買わない気がします。


で、このサービスを使ってさっそく聴いてみたのが、
グルジェフのピアノ作品集。


マイナーレーベルの、
ドイツのWERGOから出てるやつ。


これがまた、すばらしかったので
ご紹介します。

神秘家の音楽


ゲオルギイ・グルジェフGeorges Gurdjieff(1877-1949)は、
20世紀前半の有名な神秘主義者らしい。
アルメニアに生まれ、
同志たちとロシアや欧州じゅうを経巡ったそうだ。


そして彼は、同志のひとりである作曲家の
トーマス・ド・ハルトマンThomas de Hartmann(1885-1956)と
組んで、ピアノ曲をたくさん作った。


グルジェフがメロディを示して、
ハルトマンが曲の形に整えていったらしい。


あやしい。


いったいどんな曲だろう?


もう、ずっと気になってたんだ。


期待でわくわくしながら聴きました。


あれ?


普通じゃん。


ちょっとがっかり。


しかし、普通の曲ではなかった。


普通以上なのだ。


音楽としてすばらしいではないか!


解説書には、
グルジェフ中央アジアを歩き回っていたから、
そのへんのエキゾチックな雰囲気がぷんぷん、と
書かれていたけど、ぼくが聴く限り、
エキゾチズムは、それほど強くない。


むしろ、19世紀ヨーロッパ音楽の
伝統につらなる作品という感じ。


ごくまっとう。


特徴を挙げるとすれば、
ひどくさびしげで、静かだということ。


瞑想的と言えば、たしかにそうかもしれない。


ぼくは夜の音という気がしました。


冬の、寒くてさびしい夜にぴったり。


聴いていると、コーカサスの茫々とした山野を歩く、
巡礼者の姿でも思い浮かびそう。


これほどストイックな響きは、
20世紀前半のクラシック音楽としては異例。


そのせいか、とても現代的に聞こえる。


ちょっとジャズっぽいかも。


キース・ジャレットグルジェフ作品集を
ECMに吹き込んだというのもうなずける。


WERGOのほかに、
アメリカのCelestial Harmoniesレーベルからも
グルジェフ作品集が出てたから、
そっちも聴いてみたけど、
聴けば聴くほど味わい深いです。


あやしい、なんて思っていた自分が恥ずかしい。


これは、もっと多くの人に聴かれるべき音楽だ。


グルジェフ=ハルトマンのピアノ曲
ぜひお試しあれ!


ただ、こんなのを聴いてても、
女の子にはぜったいにもてません