バリトンサックスでバッハを聴く!
あの名曲をバリトンサックスで?
バッハJ.S.Bachの書いた
6つの無伴奏チェロ組曲は、
人類の永遠の宝でしょう。
この曲はこれまで、チェロの他に、
ヴィオラとかギターとか、
さらにはテナーサックスとか、
いろんな楽器で演奏されてきました。
テナーサックスでもたいがい驚いたのに、
今年のはじめ、なんと全曲を
バリトンサックスで吹いたアルバムが出やがった。
(蘭、ブリリアントクラシックBRL93637)
その変態サックス奏者は、オランダの
ヘンク・ファン・トゥイラールト
Henk van Twillert(1959-)ってヤツだ。
ぜんぜん知らないけど、ライナーによると、
ヨーロッパじゃ名の通ったプレイヤーらしい。
バリトンサックスは、管楽アンサンブルの要だけど、
明らかにソロ楽器じゃない。
まったくイカれた野郎だぜ。
当然、キーを変えて吹いてるんだろうと思ったら、
…移調してない。
6曲全部、もともとのキーで吹いてるらしい。
さらにイカれた野郎だぜ。
だいたい、バリトンサックスとか
コントラバスとか、チューバとかでソロを取りたがるヤツは
変態に決まってる。
ま、それはともかく、CDを
聴いてみると、これが実にスムースな演奏。
もちろん、スウッ!ていう息継ぎ音がうるさいけど、
それはまあしょうがない*1。
ともかく、聴いてて、不自然な感じがほとんどしない。
もうビックリです。
そもそも、鳴ってる楽器が、
あの耳障りなバリトンサックスだと信じられないくらい、
澄んだ音なんだもん。
聴いてるうちに、
楽器がどうとかこうとか気にならなくなって、
曲の美しさに引き込まれてしまう。
これは一度聴く価値があると思うね。
なにしろ、2枚組で1000円だし。
いい曲というのは、
楽器や編成が変わっても、よさが失われないものでしょう。
今回、このCDを聴いて、
さらにその思いを強くしました。
バッハのこの曲は、やっぱり人類の永遠の宝なのだ。
しかし、こんなん聴いていても、
女の子にはもてないよねぇ。
きっと、ヘンなの!キモい!って言われちゃうよ。
*1:ギターだって、アコギなら弦をこする音はぜったい消せないしね。