アダム・フィッシャーの極上ハイドンを聴く!

putchees2010-01-25


コンサート報告です


今回のコンサート


オーストリアハンガリー ハイドンフィルハーモニー
Oesterreichisch-Ungarische Haydn Philharmonie
指揮:アダム・フィッシャーAdam Fischer
(2009年12月3日:東京・サントリーホール


【曲目】
ハイドンJ.Haydn
交響曲第101番 ニ長調「時計」
シュミーディンガー
ハイドンへのオマージュ
ハイドン
交響曲第104番 ニ長調「ロンドン」
●トランペット協奏曲 変ホ長調
(アンコール)
ハイドン
歌劇「報われた誠意」序曲
交響曲第45番 第4楽章「アダージョ


独奏:小林響(Vn)、ハンス・ガンシュ(Trp)

これぞ真正のハイドン


ちょっと古い話だけど、昨年12月に
ハンガリーの指揮者、アダム・フィッシャーが率いる
ハイドンフィルの公演に行ってきましたよ。


曲目はハイドンづくし。
2009年はハイドン没後200年だったからね。


この指揮者とオケのコンビは、
Nimbus/Brilliantレーベルから、
ハイドン交響曲全集(CD34枚組)を出してる。
http://www.hmv.co.jp/product/detail/299478


これまで3つあるハイドン交響曲全集*1の中で、
ぼくがいちばん好きな演奏だ。


聴きに行かないわけにはいかない。


というわけで行ってきました。


チケットはやや高めだし、
当日は雨で寒いし、どうしようかと思ったけど、
行ってよかったです。


すばらしいコンサートでした。


これぞホンモノのハイドンという気がしました。

生き生きしたハイドン


客席は4割くらいの入りだったんだ。


やっぱり、ハイドンは地味で人気がないんだなぁ。


オケは40人弱なので、ステージも閑散としている。


寂しいコンサートになりそうだ。


そう思いつつ、演奏スタート。


アダム・フィッシャーは、
気のいいおっちゃんという感じ。


あまり期待させない指揮ぶり。


8000円だか9000円がムダになりそうだ。


そう思ったのは、最初の5分くらいだったね。


シンフォニー「時計」が、
生き生きと鳴り響く。


おお。


おおお!


なんてイキのいい音楽だろう。


CDよりはるかにハツラツとした演奏。


まるでアドリブのように、
音楽がわき出す感じ。


やっぱりただものではなかった。
想像以上の面白さ。

ほとんど躁状態


途中、現代音楽やトランペット協奏曲の
演奏もあったけど、やっぱりすばらしいのは
シンフォニーでした。


最後は交響曲104番、ロンドン。


これがすごい。
モーレツなアッパーぶり。


ほとんど躁状態


ハイドンって、こんなにすごい音楽だったのか!


そうか、彼らの演奏は、
CDではごくごく抑制してるんだな。


ライブでは、ライブらしい演奏をするんだな。


最後のトニックが力強く響いて、おしまい。


ブラボーの嵐。


アダム・フィッシャーが、いたずら小僧のように
にやにやと笑っている。


ニクい奴め!


アンコールが、また気がきいてる。
金管が客席を練り歩き、最後の最後は
交響曲「告別」でプレイヤーがひとりずつステージを去って締め。


あたたかい拍手が最後まで鳴りやまなかったよ。


寒い夜の、最高にあったかいステージでした。


誰が言ったか知らないが、
ハイドンは断じて退屈ではない


ぼくはモーツァルトよりずっと好きだよ。


ハイドン好きをさらにハイドン好きにしてくれた
アダム・フィッシャーとハイドンフィルに感謝。


ただ、やっぱりハイドンなんて聴いてても、
女の子にはもてそうにないよねぇ?

*1:アダム・フィッシャー、アンタル・ドラティ、そして最近出たデニス・ラッセル・デイヴィスの三種類。