非知性派クラシックの巨人、ハチャトゥリアンを聴け
今回のアルバム
ハチャトゥリアン:バレエ組曲集(ガイーヌ/スパルタクス)(ボリショイ歌劇場管/スヴェトラーノフ)
KHACHATURIAN, A.M.: Ballet Suites (Svetlanov)
(蘭・Brilliant Classics 9256)
(ナクソスミュージックライブラリー)
http://ml.naxos.jp/album/BC9256
軽く見られる大作曲家
頭の悪いクラシックが好きだ。
ガンガン盛り上がって、聴いてスッキリして、あとに何も残らない。
まるでスポーツや性交のようなクラシック。
たとえばハチャトゥリアン、レブエルタス、ひょっとして伊福部昭。
しかし、そういうクラシックはどうも人気がない。
たとえば同じソビエト連邦の作曲家、ショスタコーヴィチとハチャトゥリアンは、いずれも国家的英雄作曲家だったはず。
しかるに前者はインテリでいまなお大人気、後者は野蛮人扱いで不人気ときたもんだ。
しかし、非知性派クラシックがこれほど軽く見られるのは不当だ。
音楽を聴く喜びは「剣の舞」やムソルグスキー「はげ山の一夜」のような暴力的な音楽に原点があるのではないか知らん?
オーケストラはあれだけでかい音が出せるんだから、もっと熱狂的な音を出すのに活用したって構わないはず。
というわけで、今回は非知性派クラシックの代表格、ハチャトゥリアン。
その中でももっとも頭の悪い「剣の舞」が含まれているバレエ「ガイーヌ」組曲。
ソビエトの爆演指揮者(とみなされている)、スヴェトラーノフが熱演。
たまたま、ナクソスミュージックライブラリーの新譜に入ってたから紹介します。
「ガイーヌ組曲」には、いろんな曲が入ってるけど、「剣の舞」が目立ちすぎてほかが印象に残らない。
もう笑っちゃうくらい単純でアホ丸出し。
ああ気持ちいい。
しかし、「剣の舞」だけなら、ぼくはチェクナヴォリアンとアルメニアフィルがやってるやつ(ASV)のほうが好きだな。烈しくて。
このアルバム、このあとに入ってる同じくバレエ「スパルタクス」組曲のほうが実は面白かった。
こっちも烈しいです。
みんなクラシックだからといって、かっこつけて頭よさそうな曲ばかり聴いてちゃダメだよ。
たまには非知性派クラシックを聴いて童心に返ろう!
しかし、こんな音楽を聴いてたら、女の子にはぜったいにもてないよね。