エネスコのくどい室内楽を聴く

putchees2008-06-19


ルーマニアの国民的作曲家


ルーマニアの作曲家、
ジョルジュ・エネスコ(ジョルジェ・エネスク)
George Enesc(1881-1955)の
室内楽作品集を聴きましたよ。
(独Arte Nova74321636342)


弦楽八重奏曲(1900)と、
管楽十重奏曲(1906)。


ことさら面白いわけではないが、
悪くない曲でした。


弦楽八重奏のほうは、
ややこしいメロディが、うねうねする音楽。


だいたい、弦が8本なんて、
ちょっと音が多すぎる。


簡単に言うとくどい
そして渋い。


しかし、くどさと渋さを楽しめる物好きなら、
気に入るかもしれない。


いっぽう、管楽十重奏曲。


この曲も、楽器が多すぎるだろう。
ヘンテコな編成だ。


しかし、こちらは木管楽器ばかりなので、
音は意外に薄い。


ところどころ、民謡ふうになったり、
アラブ風になったりする。


なるほど、これが(東西が出合うバルカン半島の)
ルーマニアかという気がする。


田園ふうでもあり、
どこかメランコリックでもある。


とりたてて面白くはないけど、
悪くない曲だと思ったね。


エネスコは、20世紀前半の大ヴァイオリニストとして
有名で、彼の演奏は、いわゆる歴史的録音でたくさん聴ける。
そちらもなかなか面白い。


ルーマニアが生んだ作曲家としては、
この人がいちばん有名で、
ルーマニア狂詩曲」なんてのも作ってる。


悪くはないけど、どれも
ちょっと晦渋で、地味な音楽です。


だから、大向こうに受ける音楽ではない。


ただ、東欧や北欧なんかの「周縁の芸術」が好きな人なら、
エネスコの作品はきっと楽しめると思うね。
Arte Novaは、エネスコのオーケストラ作品集(4枚組)も
作ってるから、いちど聴いてみるといいかも。
(Arte NovaのCDはとにかく安いからね)


ただ、こんなのを聴いてたら、
女の子にはもてないけどね。