フランスの即興ピアニスト、ヴィエネルを聴く
今回のアルバム
ウィエネ:ピアノ・インプロヴィゼーション(ウィエネ)(1950-1964)
WIENER, J.: Piano Music (Improvisations au piano) (Wiener) (1950-1964)
(仏・INA Memoire Vive IMV030)
(ナクソスミュージックライブラリー)
http://ml.naxos.jp/album/IMV030
ジャズとクラシックのあわい
こんなピアニストがいたんだ。
ジャン・ヴィエネルJean Wiener(1896-1982)(ジャン・ウィエネ)。
20世紀初頭のパリ・コンセルヴァトワールで、ミヨーと一緒に勉強してたらしい。それで、サティや六人組Lex Sixとも関わりがあったそうだ。
シェーンベルクなどの曲をフランスでさかんに演奏したりもしたらしい。
キャリアの途中でジャズに傾倒して、クラブや映画音楽とかで活躍したらしい。
欧州の初期ジャズピアニストってことか。
こんな演奏スタイルだったらしい(1927年録音。盟友Doucetとのデュオ)。
で、このアルバム。
1950〜60年ごろの録音。すべて即興演奏。
これはジャズなのか?
クラシックなのか?
バッハのような対位法が顕著。
左手でコード、右手でメロディ、という感じではない。
ジャズにしては古くさい。
エロール・ガーナーとか、似てるかも。
しかし、不思議な魅力。
アカデミックな欧州の作曲法を勉強した人が即興したらこんなふうになります、という感じ。
合衆国のミュージシャンなら、ぜったいに、こうはならない。
聴いたことない種類の即興演奏。
面白いなあ。
あえていうなら「クラシックとジャズのあわい」の音楽という感じ。
音楽の発展の歴史を考える好材料。
ぼくは何も知らないで、たまたまNMLの新譜の中から見つけたのですが、いちど聴く価値はありますよ。
ただもちろん、こんなのを聴いてても、女の子にはちっとももてないけどね。